2017年3月30日木曜日

半導体分社化を承認=原発損失に批判、社長が謝罪―東芝が臨時株主総会

 東芝は30日、記憶用半導体フラッシュメモリー事業の分社化を諮る臨時株主総会を千葉市の幕張メッセで開いた。米原発事業の巨額損失で傷んだ財務基盤を強化するため、営業利益の半分程度を稼ぐ同事業を売却し、2兆円規模の資金調達を目指す。3時間を超えた質疑では原発事業を中心に株主から批判が相次いだが、分社化議案は3分の2以上の賛成で承認された。東芝は4月1日に「東芝メモリ」を発足、5月にも売却先を決めたい考えだ。

 綱川智社長は冒頭、米原発事業に絡む巨額損失の発生について「ご迷惑と心配を掛けたことをおわびする」と述べ、株主に謝罪。海外原発事業の撤退やメモリー事業売却で財務・資本の改善を進めるとともに、社会インフラ事業を軸に収益回復を図り、早期の危機脱却を目指す方針を説明した。

 株主からは、巨額損失を招いた米原発会社ウェスチングハウス(WH)を買収した経営判断の誤りを追及する質問が出た。成毛康雄副社長は「(事前の情報収集や意思決定で)適正な手続きが行われており、誤りはなかった」と理解を求めた。

 原発事業のトップで2月に会長を引責辞任した志賀重範執行役は、健康上の理由で総会を欠席。別の株主は同氏の欠席に不満を示し、「昨年の(定時株主)総会では、メモリーと原発の2本立てでやっていくと言っていたのに、なぜ7000億円もの損失が出るのか」と批判した。 

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