2017年6月30日金曜日

「あれもこれもダメ」ではダメ――弁護士と企業法務が語る「ストックフォト」

 Webサイトや印刷物をより分かりやすく見やすくするために、「写真」「図版」「画像」は欠かせないものだ。しかし昨今、これらの「無断利用(引用)」や「模倣」にまつわるトラブルが多い。法的に問題があるものはもちろん、問題ないケースであってもSNS上で「炎上」することもある。

 写真・図版・画像を使う上で生じるリスクを回避するには、全てを自前で用意することが理想だが、限られたコストやリソースの中では難しい面もある。そんな時に活用したいのが、写真や画像のオンライン素材集「ストックフォト」だ。

 ストックフォトサービスを使うメリットと、注意点は何か――アドビシステムズ主催のセミナーで、クリエイティブ分野の法務に明るい水野祐弁護士と、KDDIの知的財産室の大野拓哉氏が語った。

●法的に問題がないのに「リスク」が生じる現代

 先述の通り、昨今は写真・図版・画像に関する無断利用や模倣に関するトラブルが増加傾向にある。水野弁護士の見立てでは、主に以下のような原因が考えられるという。

・権利関係が不明瞭なコンテンツがインターネット上に使いやすい状態で置かれていること

・似た構図・意匠のものがインターネットを介して見つけやすくなったこと

 後者に関して、"偶然の一致"であれば著作権侵害には該当せず、法的にも問題は生じない。しかし、それがSNSなどを通じて「拡散」「炎上」してしまうケースもある。法的に問題がなくても、写真や画像の取り扱いが企業経営を揺るがすリスク(レピュテーショナルリスク)となりうるのだ。

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