2017年6月13日火曜日

Suicaはなぜ「充電なし」でいつまでも使えるのか?

 日頃電車やバスに乗る際、ピピッと使う交通系ICカード。大変便利です。

 これらのカードはクレジットカードなどと同じ寸法で作られており、縦は54.0ミリ、横は85.7ミリ、厚さ0.76ミリ……厚みは1ミリもありません。

 考えてみるとおかしな話です。ICチップが埋め込まれているわけですから、ICカードは電子機器。しかし、電池の入りそうなスペースなどありません。Suicaを充電したという話も聞きません。

 かざすだけで使える電子機器、果たしてどういう仕組みなのでしょうか。

●電気は改札から供給される

 答えから書くと、Suicaは改札のタッチ部分から電気をもらって動いています。

 しかし、電気が直接飛んできているわけではありません。タッチ部分は「磁気」を出しているのです(この磁気、有効範囲は半径10センチほどとのこと。「タッチ」が有効な範囲に磁界がある、と考えていいでしょう)。

 カードはこの磁気から電気を生み出しているのです。それも、学校で習った仕組みを使って。

●これが原理だ! ファラデーの法則

 使う科学は「ファラデーの法則」。

 簡単にいえば、「コイルの中の磁界を変化させると、コイルに起電力が発生する」というもの。ここでは「変化する磁界から電流を生み出せる」と言い換えましょうか。

 改札タッチタイプのICカードの中にはコイルが入っており、変化する磁界に応じて起電力を発します。この電力を使ってSuicaは通信部と情報をやりとりするのです。

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