2017年9月23日土曜日

購入者が知らない、店頭サンプル品をめぐる醜い争い

連載:牧ノブユキのワークアラウンド(PC周辺機器やアクセサリー業界の裏話をお届けします)

 量販店でよく目にするのが、製品の実機サンプルだ。製品の使い勝手や重量を客に体験してもらうための実機サンプルは、通販サイトに対抗するための差異化要因の1つであり、多くの量販店が注力するようになりつつある。また最近ではスマートフォン用ケースのように、実機に装着して試せるようにサンプルをぶら下げるなど、アクセサリー類についてもサンプル展示を行う例が増えている。

 こうした店頭展示用の実機サンプル(以下展示サンプル)は、ほとんどの場合、本物の製品がそのまま使われる。さすがに高額なハードウェアについては内部が空になった、いわゆるモックの展示で代替する場合もあるが、それだとサイズを把握してもらうことはできても、実際に使い勝手を確認してもらったり、重量を体感してもらったりはできない。それゆえ、本物の製品を1つ開封して、盗難防止の対策を施したうえで、展示サンプルとして店頭に陳列するわけである。

 ところでこの場合、展示サンプルの費用はメーカーが持つのか、店が持つのか、興味を持ったことはないだろうか。結論から言うとメーカー負担が原則なのだが、こうした展示サンプルをめぐり、現場ではさまざまなせめぎ合いがある。

 今回はこうした展示サンプルの裏側と、それに関連する話題として、メーカー関係者を経由して製品を安価に購入するための裏ワザについても見ていこう。

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