2018年3月12日月曜日

スパコン初心者のヤフーが省エネ性能世界2位の「kukai」を作るまで

 2017年6月に発表されたヤフーのスーパーコンピュータ「kukai」(クウカイ)は、同社初のスパコンであるにも関わらず、スパコンの省エネランキング「GREEN500」で世界2位を獲得するなど話題を呼んだ。しかし開発に携わった角田直行テクニカルディレクター(データ&サイエンスソリューション統括本部)によると、ヤフーは「もともとスパコンを作るつもりではなかった」という。なぜ、kukaiは生まれたのか。

●スパコン「kukai」とは?

 kukaiは17年6月にヤフーが開発を発表したスーパーコンピュータ。GPUを使った従来の社内環境と比べ、その演算処理性能(460.7 TFLOPS)は理論上約225倍で、角田ディレクターによると「GPUサーバ1台とkukaiの約半分のリソースを使って比較したところ、kukaiはだいたい140倍のスピードが出た」という。

 米NVIDIAの最新GPU「Tesla P100」を160基搭載し、冷却方法には高効率な「液浸」を採用。スパコンの消費電力あたりの処理性能をランキングにした「GREEN500」(2017年6月)では、東工大の「TSUBAME3.0」に続き、世界2位を獲得している。

 角田ディレクターは、kukaiの開発について「もともとスパコンを作るつもりではなく、AI人工知能)を使ったディープラーニング(深層学習)に特化した環境を作ろうと、突き詰めていった結果だった」と説明する。

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