2018年3月22日木曜日

NEC米沢のノウハウ吸収、生産性から品質に舵を切ったレノボ

 大手PCメーカーのレノボグループが、日本で培われた製造・品質管理技術の世界展開を本格化している。同社傘下でNEC・レノボ両ブランドのPCを製造する、NECパーソナルコンピュータ(NECPC)米沢事業場の品質ノウハウを、昨年から中国のPC工場でも採用。従来は生産性向上のためのノウハウ共有が中心だったが、今後は細部の品質をさらに改善することで、顧客満足度の向上を図る。
 レノボグループはNECとの合弁で日本市場向けのPC事業を展開しており、2015年からは「ThinkPad」ブランドの一部製品を、山形県のNECPC米沢事業場で製造している。NEC製品とレノボ製品で製造ラインは分かれているものの、製造工程やテスト工程におけるチェック項目は共通で、同じ従業員が組み立てを担当。需要に応じて、両ブランドのPCを同じ品質で柔軟に製造できる体制を整えている。
●レノボ本社が品質向上で「米沢の目」を求める
 レノボとNECの協業開始以降、互いの生産技術者の間で技術交流を重ねてきたが、NECパーソナルコンピュータで生産事業部長を務める竹下泰平執行役員によると、中国から米沢を訪れたレノボ側の技術者が当初強く関心をもっていたのは、RFIDによる部材管理や製造工程の自動化など、生産性の向上に直接寄与する部分が中心だったという。
 しかし、レノボが全社的に取り組む項目として「顧客満足度向上」がより重要になっていることから、昨年より、中国で製造した日本向け製品の一部をサンプルとして抜き取って米沢事業場へ送り、米沢式のプロセスで品質をチェックし、問題点があれば中国側へフィードバックするという取り組みを開始した。

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