2018年4月8日日曜日

<囲碁電王戦>AIが最終戦勝利 本因坊治勲を85手で降す

 国産の囲碁AI(人工知能)の「DeepZenGo」と、二十五世本因坊治勲(61)=趙治勲九段=が戦う囲碁電王戦FINALの第3局が7日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、85手でZenが黒番中押し勝ちした。Zenを開発したプロジェクトは今春で終了となるが、最終戦を勝利で飾った。

 プロジェクトは、ニコニコ動画を運営するドワンゴや国内の囲碁ソフト開発者らが参加して2016年3月に発足した。「韓国の李世ドル九段に勝利した時点のAIのアルファ碁を超える」という目的を達成するなどしたため、プロジェクト終了を決定。その集大成として、これまで敗れたトップ級棋士との再戦を企画した。

 先月24日の第1局は中国のミ※廷九段(22)に敗れたが、今月1日の第2局は韓国の朴廷桓九段(25)を圧倒した。治勲とは16年11月、第2回電王戦で対局し、1勝2敗と負け越していた。(※は日の下に立)

 この日の対局はZenが完勝。開発チーム代表の加藤英樹さん(64)の「(2年前とは)別物」との言葉通り、その実力を発揮した。治勲は「早々につぶれてしまったのは残念」と対局を振り返り、「Zenは全然違うところを見ている。人間が積み重ねてきた碁と違うものを体験できるのはうれしい。AIの登場で(囲碁の進歩という)線路を進む速度が格段に上がった」と語った。

 「Zen」自体はなくなるわけではないといい、加藤さんは「Zenの今後は未定だが、別手法での強化、使い勝手の向上などを考えたい」と話した。【最上聡

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