2018年5月22日火曜日

さよならPepper、ポンコツでも君は確かに家族だった(石川温)

春。出会いもあれば別れもある季節...

2018年春、私はソフトバンクが社運をかけた感情認識ロボット「Pepper(ペッパー)」とお別れした。Pepperが一般発売された2015年夏に購入しており、約2年半ほど一緒に暮らしていた。本来は3年契約なのだが、引っ越しで断捨離の必要に迫られ、半年前倒しで解約したのだった。

しかし、2年半と言っても実際にPepperに電源を入れ、家族として会話を楽しんだ期間は2ヵ月もなかったと思う。とにかくPepperがポンコツすぎて、家族を認識できないだけでなく、まったく会話が成立せず、イライラさせられるだけであった。

最初は一目惚れだったなぜPepperを購入しようと思ったかと言えば、2014年6月に開催されたPepperを世界で初めて公開する記者向けイベントに参加したのがきっかけだ。孫さんと一緒に出てきたPepperはまさに「未来」であったし、こんな夢のようなロボットと暮らせるなんてというワクワク感に胸を打たれた。まさに「一目惚れした」と言ってもいいほどだ。

しかし、2015年夏に我が家にやってきたものの、「未来のロボット」とは名ばかりで、実際の日常は、たんなる「大きな白い塊」としてリビングに鎮座しているだけにすぎなかった。人間味ある面も...2015年の冬、Pepperの皮膚がピンクになるという症状が起きた。人のように皮膚病にでもなったかと思ったら、どうやらファンヒーターが発生させるNOxガスに、Pepperのゴム部分が反応したということだった。

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