2014年1月6日月曜日

ビッグデータ、幅広い業界でビジネス活用本格化~商品開発、情報提供…新たな課題も

 ビッグデータ、という言葉がIT系ニュースだけでなく一般のニュースでも使われるようになってきている。そのきっかけは、JR東日本が個人のSuica情報を外部へ提供したことが情報漏洩だと大きく報じられた件だったのではないだろうか。

 ビッグデータはIT業界内ではだいぶ前から人気のキーワードだったが、Suicaという多くの人にとって生活に密着したデータが対象となったことで、一般市民にも一気に身近になった。わかりづらさはそのままに、情報提供をしたとの断片的な事実だけが大きく報道された結果、「勝手に情報を売るのか」「個人情報保護はどうなっているのだ」と叩かれたのは記憶に新しい。

 同じようにNTTドコモ、続いてAmazonが他社に情報を提供して商品開発を行った時には、その是非はそれほど話題にならなかった。Suicaの利用方法などより、よほどパーソナルなデータを含んでいるAmazonの購買履歴が炎上ネタにならなかったというのは興味深い。

 情報提供のされ方はもちろん、報道のトーンによって受ける印象が違うという部分は大きいのだろう。しかし、そろそろ一般消費者も自分たちの行動がビッグデータとして売買されてしまうことに慣れ始めているのかもしれない。それくらい、身近にデータ活用の結果誕生した製品が増えてきている。

●JR東日本が駅自販機とSuicaでつくった「フロムアクア」


 話題のきっかけとなったJR東日本だが、他社へのデータ提供ではなく自社での活用は以前から行っていた。JRの駅構内にある自動販売機はネットワーク接続されており、1台1台が店舗のように管理されているという。そして、駅利用客がSuicaを使って買い物をすればSuicaに記録されている属性データと購買データが結びつくわけだ。

 Suicaと自動販売機から得られるデータの分析結果で、オリジナルのミネラルウォーター「フロムアクア」が朝の通勤客に利用されているようだということが判明。これを元にインターネット調査をした結果「移動中に飲みたいのにペットボトルのふたを外して持っていなければならないのが不便だ」「ふたを落としてしまう」という声を拾うことができた。そこで生まれたのが、ふたが本体から分離せずに飲めるボトルだ。

●VICSでカバーできない範囲の情報を拾う、ホンダの「internavi」

 カーナビにPHSの通信機能を搭載したり、携帯電話と接続させたりして会員の走行情報を取得して利用する、という取り組みもビッグデータ活用の1つだ。

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