事故や病気で動けなくても、iPhoneが助けを呼んでくれる。
今週またアップルの新たな特許が公開されました。それは、モバイルデバイスが緊急事態を自動検知して、110番通報したり、アラームを鳴らしたりする機能に関するものです。ホームセキュリティシステムが異常を検知すると警備会社に自動で連絡が入る、それと同じような感じです。
この特許への申請文書には、スマートフォンに緊急事態を検知させ、警察や任意の電話番号に自動で連絡させたり、アラームを鳴らさせたりといった一連の手法が書かれてます。
利用シーンとしては大きく分けてふたつ想定されていて、ひとつめはユーザーが交通事故や強盗といった、突発的な危機に見舞われる場合です。「攻撃検知モード」なるものをオンにしておくと、たとえば加速度計が衝撃を検知したとき、マイクが急に大きな音を拾ったとき、ジャックからヘッドフォンが強い力で外れたときなどが緊急事態として検知されます。それから「デッドマン・スイッチ」とされる機能も説明されていて、これはユーザー自身が特定のボタンを押すことで異常を知らせるものです。
ふたつめはユーザーに健康上などで不安要素があって、容態の急変を警戒しているようなケースです。これには「フェールセーフモード」が用意されていて、一定時間(たとえば30分間)ユーザーがスマートフォンを操作しないと緊急事態とみなされます。ひとり暮らしのお年寄りの「見守りサービス」のような感じですね。
で、いざ緊急事態となったときにスマートフォンがどう動くかはユーザーが設定しておきます。たとえば防犯ベルみたいに大きな音を鳴らすとか、ひっそりと110番に電話してGPSの位置情報も一緒に伝えるといった具合です。
ここまで利用シーンが明確になってはいますが、アップルが特許を取ったからといって、実際iPhoneに載るかどうかはまだわかりません。ただしこの機能は既存のスマートフォンに入っているテクノロジーだけで実現できるものなので、現実味が高いといえば高いです。ただそのせいか、米Gizmodoのコメント欄では「別に特許にする必要ないんじゃ?」という声も集まってはいます。
でもたしかに、誰しもいつ事故とか事件に巻き込まれるかわかりません。実際に使う場面は少ないとしても、何かあってもスマートフォンが自動で誰かに連絡してくれるってのは、安心感を担保してくれそうです。
[U.S. Patent&Trademark Office via AppleInsider]
Robert Sorokanich(原文/miho)
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