2014年5月20日火曜日

「10型でも4K」の時代へ――急激なディスプレイ精細化にWindowsはどう対応するか?

 かつて2012年10月にWindows 8がリリースされた際、Microsoftは「1366×768ピクセル」解像度のディスプレイを持つ製品を普及価格帯、「1920×1080(もしくは1920×1200)ピクセル」解像度の製品をハイエンドと位置付けていたというのが、ずっと同社のWindows 8戦略をウォッチしてきた筆者の印象だ。

 これは同社が公開していた資料やパートナー各社の製品戦略からうかがえ、実際に前者が「Surface RT」、後者は「Surface Pro」という形で体現されている。おそらく、MicrosoftとOEM各社ともに「Windows 8の発売時期にはこれくらいの製品バランスが適当だろう」と判断していたのだと思われる。

 だが、世の中の進化というのは想定を常に裏切るものだ。タブレットでは高解像度・高画素密度の「Retinaディスプレイ」を採用した第3世代の「iPad」が2012年3月にAppleからリリースされ、同社はさらにノートPC製品ラインとして「MacBook Pro」のRetina対応モデルを同年夏と秋に次々と市場投入してきた。

 一部には「コストが高い」「バッテリー駆動時間が悪化する」といった理由から、こうしたppi(pixels per inch)が極端に高いディスプレイの採用に否定的な意見はあったものの、結果としてこのRetinaディスプレイは市場へと受け入れられ、今日に見られるように高ppiのディスプレイがごく当たり前という現状を作り出している。

 Microsoftを含め、市場関係者の多くが、ここまで一気に高ppiのディスプレイが市場に広がると予測はしていなかっただろう。それは初代Windows 8の仕様を見ても分かる。

 以下のグラフは、Windows XP以降におけるWindows OSのスケーリング設定(拡大表示設定)の変革を示したものだ。

 ディスプレイ解像度の向上、画素密度の向上とともに、固定ピクセル(100%)の表示ではアイコンや文字のサイズがどんどん小さくなり、視認性や操作性の面で使い勝手が悪くなってしまう。

 筆者の場合、デスクトップ環境では24型のフルHD液晶ディスプレイ(92ppi)を使っているが、こちらは100%のスケーリング、10.6型のSurface Pro(207ppi)では150%のスケーリングで設定している(どちらもデフォルト)。

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