2014年5月2日金曜日

無料ユーザーと課金ユーザーに同じゲーム体験を提供するのは可能か。スーパーセル新作をめぐって考えた

ソフトバンクが昨年末に約1500億円で買収し、世界中の注目を集めたスーパーセル。フィンランドの開発会社で、ソーシャルゲーム『クラッシュ・オブ・クラン』を作り出したことで有名です。F2P(基本プレイ無料のアイテム課金型)ゲームとしてリリースされ、世界135カ国のApp Storeで第一位を記録するなど、大成功を収めました。

4月23日に東京・秋葉原で開催された、ゲームとネットワークのカンファレンス「OGC2014」では、CEOのイルッカ・パーナネン氏が来日講演。トップダウンではなく、ボトムアップで開発を進める企業風土について語りました。ゲーム業界内外での注目度も高く、テレビ東京の報道番組『ワールド・ビジネス サテライト』で取り上げられたほどです。

そんな同社の新作ゲーム『ブーム・ビーチ』が、このたび満を持して日本語化されました(iOS版のみ、Android版も公開予定)。はたして『ブーム・ビーチ』はポスト『クラクラ』となるのか? 序盤のプレイをもとに、ざっくりとレビューしてみましょう。

舞台は南洋の島々です。悪役のブラックガード軍(NPC)が占拠した島々を解放しながら、自らの島に建設した基地を発展させていくのがゲームの目的。資源を採掘し、建物を建設しながら軍隊を整備し、敵の基地を攻撃して、さらに島を増強させていく・・・。いわゆる「村ゲー」と呼ばれるジャンルで、基本は『クラクラ』と大差ありません。

もっとも『クラクラ』はファンタジー世界ですが、こちらはコミカルながらも現代戦。バトルも「上陸作戦」がモチーフで、ガンボードで援護射撃を行いながら、上陸用船艇で兵士を海岸に送り込み、敵陣に突撃するというもの。兵種はライフル兵、重火器兵、バズーカ兵など6種類にわかれ、それぞれに特徴があります。

バトルの戦略性を高めているのが、前述のガンボートの存在です。本作では『クラクラ』と同じく、各部隊を個別に操作できません。そのかわり、艦砲射撃で敵陣を削いだり、フレア(照明弾)で部隊を誘導したり、救援物資で体力を回復させたりと、間接的な介入ができます。敵の建物を破壊するとエネルギーが増えて、さらにアクションが繰り出せるのがミソ。部隊編成とガンボートの操作が勝利の鍵を握っています。

ユニークなのがフレアです。バトルの勝利条件は敵の司令部を破壊すること。そこで火力の集中している箇所をフレアで迂回誘導し、司令部だけを攻撃すれば、最小限の被害で攻略できます。

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