米アップルのApple Watchは、スマートウォッチ市場で「キャズム」を超える起爆剤となり得るか―――。
キャズムとは、米マーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーア氏がハイテク産業の分析から唱えた、イノベーションの普及過程に存在する「深い溝」を意味する。古くは米社会学者のエベレット・ロジャーズ氏が提唱した「普及率16%の論理」を発展させたものである。
両氏は、普及率が16%を超えた段階でイノベーションが急激に普及し拡大するとの考え方を唱える。この考え方に立てば、iPhoneやiPadは間違いなくキャズムを超える起爆剤となった。
例えば、スマートフォン(スマホ)市場では、iPhoneが市場に投入された07年以降、利用者が急速に増加した。これにより、12年にはスマホの世界普及率は20%に到達し、キャズム超えを果たしている。
また、タブレット市場では、90年代のタブレットPC構想に始まり長い間低迷が続いたが、10年のiPad発売が普及の契機となり、キャズム突破に大きく寄与している。実際、13年には世界普及率が20%を超えている。
それでは、スマートウォッチ市場はどうか。
12年に世界販売台数が72万台でその後低迷が続いたが、今春アップルがApple Watchを発売したことにより、15年末には同6500万台に到達するとの予測も存在する。
だが、今のところ、こうした予想が実現する公算は小さい。7月に発表されたアップルの15年4~6月期決算では、アップルはApple Watchを「その他の製品」カテゴリーに分類し、販売台数の公表を避けた。そのため、Apple Watchの正確な販売台数はいまだ不明であるが、ティモシー・クックCEO(最高経営責任者)はアナリストらとの電話会議の中で、Apple Watchの販売状況について、「発売後9週間の販売台数は、初代iPadおよびiPhoneの販売台数を上回った」と述べ、この時点でのApple Watchのおおよその販売台数を暗示している。
●実は善戦?
一方、英Canalysの推計では、Apple WatchがリリースされたQ2期間(今年4~6月)の出荷台数は420万台となっている。また、ウォール街の最新予想では、販売台数は発売後の最初の12カ月で3600万台に達する可能性があることを示唆している。
これらの数値から読み取れるのは、Apple Watchが善戦している可能性が高いということである。…
2015年8月10日月曜日
<h1 itemprop="name">Apple Watch販売台数「未公開」問題、やはり期待外れ?実はiPhone超え?
8:00
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