2015年12月4日金曜日

米ヤフーの7つの大失敗を振り返る


たられば言っても仕方ない、けど、いろいろと悔やまれる。

ウォール・ストリート・ジャーナルが、米国ヤフーがコア事業であるインターネットビジネスの売却を検討していると報じました。ヤフーといえば日本ではもっとも影響力のあるWebサイト/サービスのひとつですが、米国では存在感を失って久しいのです。

売却検討されているコア事業には、FlickrやTumblr、そしてもちろんYahoo.comがふくまれます。インターネット黎明期にWeb閲覧のあり方を定義したサービスが売られてしまうなんて寂しい限りですが、ヤフーの経営陣が出口を探しているのは無理もありません。彼らはもうずっと長いこと、失速の一途をたどってきたのです。

ヤフーの凋落の歴史を振り返っていると、切なくて仕方ありません。きっとどこかのパラレルワールドでは、ヤフーは今も主要な検索エンジンであり、写真ストレージであり、日々使われるソーシャルネットワークでもあるはずです。でも現実世界では、彼らはもうほとんど何者でもなく、わずかにYahoo!NewsとYahoo!Mailがアクセスされ、あとはジャーナリストのケイティ・クーリックもまだいるんだろうなとか、そんな感じです。

ヤフーが今の惨状に陥ったのには、主にふたつの理由があります。ひとつはビジョンの欠如、そして、買収した企業を次々と死に追いやってしまう呪いのような経営手腕です。

以下は、ヤフーが現在に至るまでの失敗の歴史です。

グーグル買収の機会を2度逃す


1997年、ヤフーはグーグルをたった100万ドル(約1億2000万円! 現在の為替、以下同じ)で買えるチャンスを逃しました。理由は、David A. Vise氏の「The Google Story」によれば、ヤフーが自社Webサイトからトラフィックを外に逃したくなかったためです。

背景には、グーグルとヤフーのサービス設計思想の根本的な違いがあります。Google検索は、検索クエリに対してもっとも適切な答えをなるべく早く返すために設計されていました。それに対しYahoo.comのディレクトリは、ユーザーの問いに答えつつもYahoo.comにとどまってもらうように作られていました。彼らが目指していたのは、ユーザーにYahoo.comになるべく長くとどまらせ、物を買わせ、広告を見せ、メールチェックやゲームをさせ、たくさんのお金を使わせることでした。

それから一気に5年後、ヤフーはまたグーグル買収のチャンスに遭遇しました。

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