2017年6月4日日曜日

強くなりすぎたAlphaGoが引退へ 次のレベルに向けて開発に注力

 Alphabet傘下、DeepMind開発のAlphaGoが囲碁の世界トップランクのカ・ケツと対局。結果は3局行ってAlphaGoの3勝となった。同じイベントで行われた、人間5人を同時に相手にする「相談碁」でもAlphaGoが勝利している。DeepMindのデミス・ハサビスCEOにより、同日でのAlphaGoの引退が宣言され、次なるレベルの開発に注力することになった。


 2016年1月に初めてプロ棋士に勝利したAlphaGoは、同年3月には韓国のプロ棋士、イ・セドル九段と対戦。4勝1敗という目覚ましい結果を出して世界から注目を集めた。昨年末には、ネット上に、覆面棋士「Master」として登場。世界のトップ棋士相手に60戦無敗の成績を残している。専門家はコンピュータがプロ棋士に勝つには10年かかると予測していたが、DeepMindはディープラーニングを活用してAlphaGoを鍛え、数年で世界トップの実力を得た。人間の残す棋譜だけでは教材が足りず、アルファ碁同士が自己対戦を繰り返して能力を高めたAlphaGoだが、今回、AlphaGo同士の対局による棋譜50局ぶんが初めて公開された。同内容は棋士の理解を超える領域に達しているとのこと。


 突如出現したAlphaGoは、4000年とされる囲碁の歴史に革新的な影響を与え、次のレベルの開発に進むことになる。次のレベルの開発では、アルゴリズムの改造により、病気の治療方法の発見や消費エネルギーの劇的削減、革新的な新素材の開発といった、より実用的な領域での課題解決を目指す。

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