2017年8月21日月曜日

なぜアメリカのIT企業は“定時あがり”が当たり前なのか?

 今春から日本で始まった「プレミアムフライデー」。毎月末の金曜日には午後3時に仕事を切り上げ、趣味や外食を楽しもう――という取り組みですが、「自分には関係ない」「お金を使う余裕もない」「金曜日に仕事を切り上げるために他の曜日で残業するだけだ」といったネガティブな意見が早期から見受けられました。

 このような状況は世界共通のものなのでしょうか。答えは「ノー」です。例えば米国では、日本のように長時間労働が美徳とされておらず、むしろ長時間労働は上司の監督能力のなさの証左であると考えられています。そればかりか、仕事と私生活をしっかり切り分け、家族との触れ合いでしっかり英気を養い、仕事に生かすという好循環が、経済そのものに好影響を与えると広く考えられているのです。

 私は米カリフォルニア州のシリコンバレーエリアにオフィスを構えるEvernoteというスタートアップに従業員40人ほどのころから約5年在籍し、従業員数10倍以上・製品利用者数1億人以上に拡大するまでを体験。その後は、従業員数1万人超で多拠点展開している大企業、伊藤忠テクノソリューションズの米国支社で、スタートアップとは異なる視点で働いています。

 この連載では、急成長スタートアップと大企業の両方に所属した経験をもとに、シリコンバレーにおける働き方の変遷、特に最新テクノロジーが個人の働き方をどう変えたか、そしてその働き方の変化に合わせていかに企業が進化しているかを、事例も交えながらご紹介します。

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