2017年10月10日火曜日

「モバイルPASMO」実現が難しい本当の理由:モバイル決済最前線

「モバイルPASMO」の商標出願が話題となっている。「商標出願2107-122035」として公開されている情報によれば、「腕時計型携帯情報端末、スマートフォン」などを対象としたもので、いわゆる「モバイルSuica」のようなものとして「おサイフケータイ」や「Apple Pay」として利用可能なものが想定される。

「交通系ICカードは相互乗り入れしているんだし、同じ機能だったらモバイルSuicaだけでいいんじゃないの?」と言われる方もいるかもしれないが、「Suicaで定期券を発行するには通勤区間にJR東日本の路線を挟む必要がある」という制限があり、主に首都圏の私鉄沿線の通勤・通学客にとっては「モバイルSuicaを定期で利用できない」という問題が出てくる。そのため、おサイフケータイやiPhoneを持っていても、通勤用には別途定期用のICカードを持っていたり、あるいはモバイルSuicaを必要としないようオートチャージを組み合わせて利用するのが一般的だ。

まだ「商標出願」というニュースが駆け巡っただけにもかかわらず、「モバイルPASMO」にこれだけ注目が集まったのは、それだけモバイルSuicaだけでは満足できないユーザーの数がそれなりにいることの証左だろう。

ただ残念ながら、PASMO側では少なくとも現状で「モバイルPASMO」提供に向けて何も進展していないことを公表している。PASMOは鉄道やバスなど主要各社らが参加するPASMO協議会によって運営されているが、同協議会で2018年7月までの年間広報事務局を担当する西武鉄道に質問を投げてみたところ、下記のような返事が返ってきた。

0 comments:

コメントを投稿