2018年4月6日金曜日

<訃報>アニメ「火垂るの墓」「ハイジ」高畑勲監督が死去

 アニメーション映画「火垂(ほた)るの墓」「かぐや姫の物語」などで知られる監督の高畑勲(たかはた・いさお)さんが5日、肺がんのため東京都内の病院で死去した。82歳だった。葬儀は近親者で営む。お別れの会を5月15日に開く。

 三重県伊勢市生まれ。東京大文学部仏文学科卒。在学中にポール・グリモー監督の仏長編アニメ「やぶにらみの暴君」に感銘を受け、1959年、東映動画(現・東映アニメーション)に入社、68年に劇場用長編「太陽の王子 ホルスの大冒険」で監督デビューした。

 同社在籍中に後輩の宮崎駿監督と知り合う。71年、宮崎監督らとともにAプロダクション(現シンエイ動画)に移り、テレビシリーズ「ルパン三世」を、74年にはズイヨー映像で「アルプスの少女ハイジ」、その後、日本アニメーションで「母をたずねて三千里」(76年)や「赤毛のアン」(79年)を演出するなど、70年代のテレビアニメの代名詞といえる作品を手がけた。

 80年に同社を退社すると、毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞した「セロ弾きのゴーシュ」(82年)を監督。宮崎監督の「風の谷のナウシカ」(84年)ではプロデューサーをつとめ、85年、スタジオジブリの設立に参画した。一つの作品に時間をかけることで知られ、88年に野坂昭如さん原作の「火垂るの墓」、91年に「おもひでぽろぽろ」、94年に「平成狸合戦ぽんぽこ」を世に送り出し、宮崎監督との両輪でジブリの興隆期を支えた。

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