2018年5月29日火曜日

アマゾン「顧客至上主義」の真髄は、「人間の善意を信用しないこと」にある

なぜ、働いても働いても、仕事がラクにならないのか──。

アマゾンジャパン17番目の社員として2000年から同社の成長に貢献。4月には『アマゾンのすごいルール』(宝島社)でその実態を余すことなく後悔した佐藤将之へのインタビュー後編。

彼は、日本の労働生産性が低い原因は過度に顧客を大切にする「おもてなし」にあるという。しかし、アマゾンが顧客をないがしろにしてきたわけではもちろんない。アマゾンが「顧客至上主義」を掲げ、常により良いユーザー体験を追求してきたのはあまりに有名だ。

日本の「おもてなし」と、アマゾンの「顧客市場主義」。一見よく似た両者の違いとは。(前編はこちら



アマゾンの「顧客至上主義」はムダをなくすためにある

──前回、アマゾンではとにかくあらゆる要素が数字で表され、仕組み化されているとお話しいただきました。組織全体でここまで仕組み化を徹底できるのはなぜなのでしょうか。

ポリシーが一貫しているからです。アマゾンでは、全てのルールは「Customers Rule!」という大原則からのスケールダウンで構成されます。ジェフ・ベゾスが「アマゾンは地球で最も顧客のことを考える企業になる」と語ったのは有名ですが、アマゾンは「顧客至上主義」を倉庫の作業者まで含めて徹底しているのです。

新しいビジネスや仕組みの導入に迷ったら、必ず「それはお客様のためになるのか?」と問いかけます。例えば、前回は倉庫で商品の取り出しミスを防ぐ施策として「迷子ボックス」を紹介しました。

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