2018年5月26日土曜日

衛星分野の最注目スタートアップ、ICEYEの「雲を透視する」技術

画像衛星のスタートアップ「ICEYE(アイサイ)」は、雲の影響を受けずに地表の詳細なイメージを撮影できる衛星を製造する。同社は先日、3400万ドル(約37億円)のシリーズB資金調達を行なった。出資には「True Ventures」や「Draper Nexus」「Space Angels」「Promus Ventures」らが参加した。

ICEYEの衛星は100キログラム以下の軽量なもので、マイクロ波センサを搭載したSAR衛星と呼ばれるタイプのものだ。SARレーダーを用いると、高解像度の2次元及び3次元イメージが生成可能だ。

SAR衛星が取得するデータは巨大なレーダーの役割を果たす。衛星の数を増やせば増やすほど、より解像度の高いイメージが取得可能になる。

また、天候に左右されずに詳細な情報が得られるため、石油やガスの採掘企業など、幅広い業界の関心を集めている。SARは光に依存しないため、夜間でもデータが収集できる。

2017年に発生したハリケーン・ハービーでは、ヒューストン近郊の洪水の被害を測定するためにSARが使用された。

ICEYEの設立は2012年。フィンランドのアールト大学の学生だった現CEOのRafal Modrzewskiと、Pekka Laurilaらが立ち上げた。2人は2018年のフォーブスの「30アンダー30」の欧州版に選ばれている。同社はこれまで累計5300万ドルの資金を調達しており、フィンランド政府やEUの支援も受けている。

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