2018年6月27日水曜日

台湾の事例に学ぶ、日本のキャッシュレス化に必要なもの

 日本キャッシュレス化協会主催の「キャッシュレスが創る未来」セミナーが東京都内で6月21日に開催された。講師にはAmazon Pay事業本部 事業部長の井野川拓也氏、pring代表取締役CEOの荻原充彦氏、台湾モバイルペイメント副社長の徐文玲氏が招かれ、それぞれの事業での最新の取り組みの他、国内外のキャッシュレスに関するパネルディスカッションが行われている。今回は「キャッシュレス化における日本の課題」という視点から、セミナーでのトピックを紹介したい。

●国家施策「台湾Pay」拡大の秘訣(ひけつ)とは

 「今後10年間(2027年6月まで)に、キャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指す」とは、2017年に発表された「未来投資戦略 2017」で初めて掲げられたKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)で、キャッシュレス化推進を目指す日本の国としての戦略目標だ。一般に、この目標が設定された時点での日本でのキャッシュレス決済比率は消費支出全体の2割程度といわれており、10年間でこれを2倍にしていこうというのがその趣旨だ。

 とはいえ、これまで現金の代替となる決済手段が登場してから何十年も経過し、電子マネーやモバイル決済の出現で決済手段が多様化してなお、国全体の決済傾向が大きく変わらない中、これをわずか10年で大きく転換させるには本当に思い切った施策が必要だ。

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