2018年7月5日木曜日

欧州の一部のWikipedia、EUの著作権新指令抗議で検索結果の代わりに声明文表示

 Wikipedia創業者のジミー・ウェールズ氏のメディアWikiTRIBUNEは7月4日(現地時間)、欧州連合(EU)が審議中の新著作権関連指令「copyright in the Digital Single Market(以下「DSM著作権指令案」)」への抗議を目的にイタリアとスペインのWikipediaを3日と4日の2日間、利用できないようにしていると発表した。

 本稿執筆現在、この2カ国に加えてポーランド、エストニア、ラトビア、カタロニア、メキシコ、コロンビアなどのWikipediaでも検索結果の代わりに抗議文が表示される。

 独海賊党選出の欧州議会議員ジュリア・レダ氏の説明によると、DSM著作権指令案は、メディアによるオンラインコンテンツのスニペットを使う場合、メディアからのライセンス取得を義務付けるというもの。7月5日に投票が行われる。

 投票で指令案が可決されれば、例えばユーザーがSNSに投稿した記事リンクで表示されるスニペット(記事のタイトル、サムネール画像、記事概要など)もライセンス対象になり、著作権料の支払いが必要になる。

 EUの意図は、欧州のパブリッシャーがスニペット表示によって収益を得られるようにすることで、著作権料を課す対象は(ユーザーではなく)Google、Facebook、Twitter、Pinterestなどのプラットフォームだ。こうしたプラットフォームは、リンクで自動的にスニペットが表示されるようにしている。

0 comments:

コメントを投稿