2018年9月29日土曜日

アバターを使った「認知症チェック」 日本の研究チームが公開

認知症検査・治療への人工知能AI)の応用例が各国の大学や医療機関から発表されるなか、日本の研究陣からも新しい研究成果が報告された。

奈良先端科学技術大学院大学と大阪大学の共同研究チームは、認知症傾向を早期に発見する新たな機械学習アルゴリズムを構築。PC上のアバターから与えられる簡単な質問に答えるだけで、非常に高い精度で認知症の兆候を発見できるシステムを開発した。

複数の要素から兆候を判断

アバターは検査を行う人々に対して、用意された質問(家族の話題や趣味、好きな歌など)のなかから5問ほどをランダムに出題する。質問は「神経心理検査」をベースにした固定質問および、その他の質問で構成される。


奈良先端科学技術大学院大学プレスリリースより

アバターは回答する人間のイントネーションや発音の明瞭さなど「声」、動詞の使用頻度など「言葉」、また「応答遅れ」や「顔」のデータを抽出・分析。認知症の兆候があるかを判断していく。それぞれ12名の認知症患者・非認知症者を対象にした実験結果では、約92%の確率で認知症患者を見抜くことに成功したという。

なお、応答遅れのデータのみで判断を行った場合の精度は63%。データ要素を複合的に組み合わせて精度を高めている点が、同システムの優位性のようだ。奈良先端科学技術大学院大学・知能コミュニケーション研究室の中村哲教授は言う。

「精神科医などの専門家は、10数年の経験を積むことで患者の表情や言葉遣い、声などから認知症を見抜くことができると言われています。

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