2013年8月11日日曜日

これなんだ? 自動販売機で買えるもの…


大正生まれのヒット作でございますよ!

電子マネーの登場で、めったに最近は硬貨を持ち歩かないだなんて若者まで増えてきちゃったそうですね。おサイフケータイの普及により、携帯電話さえ持っていれば、電車にもバスにも乗れますし、買い物だってできますし、自動販売機でジュースまで買えちゃいます…

なんともスゴい時代になったものですが、古くは1920年代から米国では一種の自販機ブームが到来していたそうですよ。お金を入れると体重を測定してくれたり、自動靴磨き機まで登場していたり~で、上の画像は1926年にフィラデルフィアで初登場した、当時としては超画期的な自動販売機なんですけど、さてさて、ここにお金を入れると出て来るものとは?
 


ジュークボックスで、お金を入れると好みの曲を選んで再生してくれる時代の前には、こんなラジオスロットなるものが、全米各地のホテルや駅や病院の待合室で大ヒットしたことがあったんですって! コインを入れると、ダイヤルを回して好きなラジオ局にチューニングできちゃいますよ。そして、硬貨投入後の5分間は、周囲に大音量でラジオから流れるメロディーを聴き入らせることが可能に…

えっ、ジュークボックスなんて知らないし、そもそもラジオなんてほとんど聞かない? テレビが普及する以前に大衆の心をとらえたラジオの力を彷彿とさせるラジオスロットですけど、かなりよくできてもおりまして、再生残り時間が1分を切ると赤いランプが点灯し、このままラジオソングを流し続けたければ、早く次の硬貨を投入するようにと知らせてくれる仕組みまで備えていますね。

せっかくお気に入りのラジオ番組が放送される時間なのに、運悪くポータブルラジオを忘れちゃったですとか、いつも持ち歩いてるラジオが電池切れになっても絶対に放送を逃さずに済むなどなど、目ざましいアピールでラジオスロットが登場した古きよきアメリカ。もしやこっそりとリクエストを送っておいて、いざ時間になったら恋人とラジオスロットを聞きながらプロポーズ~だなんて粋な告白シーンを用意しちゃった人までいたりしたんでしょうか?

もはやわざわざお金を払ってラジオを聞くというコンセプトすら想像できない世界となってしまいましたが、逆にこういう自動販売機が、いま身近に店内に登場したとしても、かえってそれはそれで新鮮だったりするのかもしれませんよね。あっ、うるさがられちゃうだけかなぁ。


Matt Novak(米版/湯木進悟)

Image: April 1926 issue of Radio News magazine

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