2013年10月17日木曜日

ドコモ、iPhone投入でも過去最大純減のワケ〜発表時期、対応遅れる機能、「5」なし

 携帯電話キャリアの業績を示す言葉に「純減・純増」というものがある。携帯電話を使うことをやめてしまったり、他社にMNP(携帯電話のキャリアをまたぐ番号継続サービス)で乗り換えてしまったりといった自社サービスを使わなくなった人数と、他社からMNPで乗り換えてきたり新規契約したりといったかたちで新たに自社サービスを使うようになった人数を比較して、新しく使う人が多くなった時は「純増」という。逆に、出ていった人のほうが多ければ「純減」だ。

 ここしばらく、NTTドコモは苦しい戦いをしてきた。人気機種であるアップルのiPhoneシリーズを、主要3キャリアのうち1社だけ扱っていないという状況の中、iPhoneを使いたい人は出ていくという流れができてしまっていたからだ。もちろん毎月負け続けということはなく、純増になっていた月も少なくはないのだが、好成績ともいえない状態だった。

 そうした中、9月にドコモでも、iPhone 5s/5cの発売をスタートした。しかし結果として、9月の成績はドコモが6万6800件の純減となった。これは過去最大のマイナス幅だ。

●iPhone発表タイミングの厳しさ

 なぜiPhoneを販売できるようになったタイミングで、ドコモの成績が悪くなったのか?

 理由はいくつか考えられるが、単純に「ドコモiPhone」発売発表のタイミングが微妙すぎたという感もある。

 ドコモからもiPhoneが出るという噂自体はずいぶん前からあった。今回の発売につながる報道の第一報は9月6日だったが、従来の流れで信じなかった人もいたはずだ。その後、ドコモショップの営業時間や、ドコモの社長がアップルの発表会に合わせて渡米したことなどから、9日頃にはほぼ確定だろうという空気が流れ始めたものの、実際の発表は日本時間では11日の深夜。発売が20日、と非常にめまぐるしいスケジュールだった。

 長く携帯電話やスマートフォンに注目してきた人ならば、ドコモの報道に対するコメントや、各種メディアの動きから早い段階で本当に「ドコモiPhone」が登場することが読み取れたかもしれない。しかし「ドコモでiPhoneが出たらいいなあ」と思っている程度の一般的なユーザーがそこまで情報を集めていたかというと、微妙なところだろう。

 当然、この時期に利用端末の2年契約が切れる人や、手持ちの端末が不調になっていた人の中には、ドコモiPhoneを待たずに乗り換えてしまった人もいるはずだ。

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