2013年10月17日木曜日

本日公開、Windows 8.1の“0.1”アップデートが意味すること

 本日、マイクロソフトのWindows 8.1がリリースされる。

 「新しいWindowsのリリース」となれば、いつもなら「いよいよ」といった言葉が添えられるものだが、Windows 8.1の位置付けは従来のリリースとは異なっている。マイクロソフトが「ラピッドリリース」と呼ぶ、新しいWindowsの開発スケジュールに則って開発された初めてのバージョンだからだ。

 前作のWindows 8から約1年後に投入された"8.1"の位置付けを再確認するとともに、どのような価値をユーザーに提供するものになるのか、マイクロソフトの意図を探ってみることにしよう。

●同じ0.1でも"3.1"とはまったく意味が異なる"8.1"

 マイクロソフトはWindows 8.1をリリースするうえで、この半年ほど何度も繰り返し、「従来の"0.1"アップデートとは異なること」を伝えようとしてきた。

 従来のWindowsにおける"0.1"アップデートは、元バージョンに残るひずみを取るための「大改修」であり、「作り直し」と言えるほど大きな改良を施していた。例えば、Windows 3.0に対する3.1や、Windows 2000に対するWindows XPなどが相当する。

 大幅な改修でOSとしての完成度を上げることが期待される"0.1"アップデートだが、その半面、互換性やパフォーマンスなどの面で再評価が必要だったり、あるいはインストール作業そのものが大がかりな改修だった。

 すなわち、集合住宅の保守で言うところの「大規模修繕工事」や「追加設備工事」のようなものだ。メジャーなバージョン番号の更新を「その時代の環境と技術で作り直す新しい建物の建設」とするなら、かつての"0.1"アップデートは「時の流れに合わせて補修や仕様変更を行い、ひずみを補正する改修工事」といった趣である。

 しかし、今回の"0.1"アップデートは違う。なぜなら、これまでのようなやり方では、動きの速い今のITトレンドに追従できないからだ。ご存じのように、さまざまなアプリケーションがクラウドへと流れ込み、クラウドを手軽に活用するための"Apps"を通じて、多くの価値が利用者に届けられるようになってきた。

 新たな応用提案の発信も、かつてはPC上の実装をプロトタイプとして始まっていたのに対し、今はクラウド+Appsが発信元になっている。ネットを通じたアプリケーションの広がりは言うまでもなく速く、「コンピューティングトレンド」の変化もまた加速している。

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