2013年12月2日月曜日

ドワンゴ会長・川上量生「ニコニコ動画を健全な“出会いの場”にしたいんです」

約2000万の動画がひしめく国内最大の動画投稿サイトである「ニコニコ動画」を生み、現在も数々の革新的サービスを送り出しているIT界の寵児、川上量生(かわかみ・のぶお)。その胸のうちには、意外な"社会的使命感"が秘められていた!

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国内の代表的なIT企業のひとつに数えられる、株式会社ドワンゴ。この会社を20代で立ち上げ、東証一部上場にまで導いた若き企業家が、川上量生だ。

2011年、彼は突如としてスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫に弟子入り。そして現在、映画プロデューサーとしての第1作となる、ジブリの日常を描いた映画『夢と狂気の王国』が公開されている。まずは、彼のジブリでの仕事ぶりについて聞いた。

■一番仕事ができたのは"中卒の社員"だった

―『夢と狂気の王国』の中で、宮崎吾朗さんと川上さんが"やり合っている"シーンがありますね。

川上 えーっと、それはまだ内容を発表できない案件なんですが(笑)、ほかにもいろんな仕事を進めてますよ。今、僕の仕事の60%はジブリ関連。ただ、僕は宮崎駿さんには"この世の災いを伝える人"みたいに思われてるんです。

ジブリって、僕らの生きてる現実とは違う、異世界のような場所なんですが、そんなところで僕は、悪化する国際情勢だとか、原発の怖さを語ったりしてるので(笑)。

―川上さんは現在、鈴木さんのもとで働いていますが、これまで川上さんがされてきたITの仕事と、ジブリのプロデューサーである鈴木さんの仕事はまったく違うもののように思えます。

川上 それが面白いことに、すごく似てるんです。例えば、鈴木さんはジブリに入る前に『アニメージュ』(徳間書店)というアニメ誌を作っていました。当時の『アニメージュ』という雑誌は、読者交流欄が異常に充実していて、年に1回、武道館でファンイベントをやったりしていた。これって、ユーザーの投稿で成り立っているニコニコ動画が、年に1回「ニコニコ超会議」っていうイベントをやっていることと同じですよね。

―なるほど。紙とネットという違いはあれど、ファンの集まるプラットフォームになっているという意味では、本質的には同じだと。

川上 そうです。だから、鈴木さんからは「俺は何十年も前からそんなことやってたんだ」って言われてます(笑)。それから、プログラマーとアニメーターという人種もすごく似てるんですよ。どっちも扱いが難しくて、気分よくさせないとちゃんと働いてくれない(苦笑)。

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