2014年3月15日土曜日

急成長するウエアラブルツール市場 日本の技術、世界の主流となるか

 お家芸であるコンパクト化で主導権を握れ。いま次なるITツール「ウエアラブル」を巡り、日本企業の動きが慌ただしくなってきた。

 次世代のITツール「ウエアラブル」は、これまで劣勢の感が否めなかった日本のIT産業の救世主となるかもしれない。なぜなら同ツールの絶対的条件は小さいこと。そして縮小化は日本の得意技だ。

 身につけるコンピューターとして、身ぶり手ぶりなど体の動きで操作するウエアラブルツールは、スマートフォンやタブレット型端末に続く商品とされている。現に市場規模も急速に拡大中で、英国の調査会社ジュニパーリサーチが昨年発表した調査結果によると、2013年の14億ドル(約1,446億円)の市場は、2018年には190億ドル(約1兆9,600億円)と、5年間で約14倍になると予想している。この時流を、千載一遇の商機ととらえる日本の企業では「パーツ」と「具現化」の2つの側面からアプローチが急ピッチで進む。

 パーツの側面からのアプローチとは、メイド・イン・ジャパン部品の各種ウエアラブルツールへの採用だ。今年に入り本格化している。TDK(本社:東京都港区)では、今年2月より4.6×5.6×1.0ミリと世界最小クラスでウエアラブルツールに最適な無線通信に使用するモジュール(機能単位に部品をまとめたもの)の量産化がスタートした。


 また、ウエアラブルを含め各種電子ツールの安定した動作の維持に欠かせない水晶振動子の大手である大真空(本社:兵庫県加古川市)でも、同社が開発に成功した世界最小となる水晶振動子の量産体制に入った。


 一方、具現化のアプローチは、具体的な商品の販売にほかならない。この分野ではベンチャー企業や大学の研究機関が健闘中で、すでに市販化されている「腕時計型」や「メガネ型」とは異なるタイプを相次いで発表している。

 いま世界が特に注目しているのは「指輪型」で、はめた指のジェスチャーだけでITツールをコントロールできる「Ring(ログバー/本社:東京都港区)」だ。商品化のネックであった資金問題も、先頃アメリカのクラウドファンディングを活用して難なくクリア。いよいよ今年7月には、購入希望者への商品発送も始まる。価格は185ドル(約1万9,000円)。なお現在、早期購入申込者には価格面で特典が設けられており、限定1,000個は145ドル(約1万5,000円)、限定3,000個は165ドル(約1万7,000円)。

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