2014年4月4日金曜日

KDDI 田中社長が語る"LTEの先"と"NTT"、そして"キャッシュバック" (1) 2013年度も好調を持続したKDDI

2010年の社長就任以来、「3M戦略」を掲げてauの復活をけん引してきた代表取締役社長の田中孝司氏。当時はスマートフォンで出遅れ、純増数でも他社に引き離されるなど、危機的な状況にあった。

これを打開すべく、2011年度にはWiMAX対応スマートフォンやiPhone 4Sを導入。2012年度には、800MHz帯でLTEを開始し、今の"つながるLTE"の基盤を作った。2013年度は「3M戦略の深化」として、「auスマートサポート」や「auスマートバリューmine」などの施策を導入している。

こうした戦略や矢継ぎ早なサービス対応が功を奏し、KDDIの業績は一気に回復した。MNPでは他社からの流入が続き、直近に発表された第3四半期の決算も増収増益と好調だ。同社は2015年度上期まで、毎期営業利益を2桁成長させることを目標に掲げ、その勢いを維持しようとしている。

その目標に向け、KDDIは2014年度をどのような武器で戦っていくのか。新年度を迎え、KDDIの田中社長が今期のテーマや、そこに込めた思いを語った。

○適切なレベルにキャッシュバック競争をとどめたかった田中氏

――まず、2014年にはVoLTE(ボイスオーバーLTE=LTEのデータトラフィックを使う音声通話)を導入すると思いますが、これについてはいかがでしょうか。

田中氏

VoLTEになると、データパスに音声が流れてくるので、料金的にはバンドルプランになってくるでしょう。定額が導入されるというのは(他社と)一緒だと思いますね。でも、歴史的に見るとおもしろいんですよ。元々は音声に複数プランがあって、その上でうちだと「ダブル定額」や「ダブル定額ライト」があって、正直ややこしかった(笑)。あのときは、「複雑でわからない」と批判も受けました。

そのあと、ソフトバンクさんが音声にホワイトプランを入れてシンプルになり、そこに僕らが追従しました。データプランもフラットになりましたけど、使い放題だと上限がないと厳しいということで、ドコモさんがまず7GBを設定して、それが業界の標準になっています。

これが、VoLTEが始まり、音声とデータが一緒になると、また複数プラン化していくのではないかなと思っています。ただ、音質が良くて、複数のティアードタリフがあるというだけではつまらない。うちは、「WOW(驚きをあらわす英語)」まではいかないにしても、ワクワクするものにしたい。

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