2014年4月16日水曜日

速報:NTT、20m先の複数人の声を収音「ズームアップマイク」開発。音源を個別に選択可、追従可

NTTは、遠くにいる人達の声の中から、指定した人の声だけをクリアに収音できる「ズームアップマイク」を開発しました。スポーツ観戦中継などでカメラをズームアップするように、遠く離れた選手の声が聞こえます。詳しい説明は後にして、まずは速報でお伝えします。

なお、NTT研究所ではニコニコ超会議3において、今回の技術を展示します。

 

ズームアップマイクは、約100本のマイクと凹型反射板(パラボラ)で構成。録音した後からでも音が選べます。研究所の担当者は「たとえば、ジダンがマテラッツィに頭突きした際にどういった話だかわかる」と話しています。

これまでのガンマイクやパラボラマイクは、音源から5m以上離れた場合に、音が小さいことで分解ができず、周囲の雑音を拾ってしまいます。ズームアップマイクは、マイク間に生じる位相と振幅差を利用し遠く離れた場所の狙った音だけをクリアに収音できるとしています。

位相はつまり音が届くまで差、振幅差は音の強さのようなものです。1つのパラボラには8つのマイクが搭載しており、この差を分解して音の違いを見極めます。

20m先の隣合った人(角度にしてだいたい1.5度)でも区別して集音可能ですが、おおよそ3度、1m程度離れていれば、完全に区別して音を区別できます。動いている利用者を追従できるのは、複数のマイクとパラボラで構成しているため。録音した音はコンピュータ側でリアルタイムに信号を分解します。

さらに、選んだ音源を強調するフィルタ生成技術と、それでも残る雑音レベルを1/1000に低減するノイズ抑圧技術を搭載しています。

NTTでは、望遠カメラを組み合わせ、スポーツ選手の映像をズームアップすると音もズームアップするようなことを想定しています。今後、雑音耐性を備えるために実証実験を実施する計画。また、小型の複数マイクで構成されるデバイスを開発し、車の中や工場など騒音環境の中でターゲットだけにしぼって収音できる仕組みも研究しているとのこと。

NTTでは、2020年の東京オリンピック頃の実用化を目指しています。

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