2014年4月16日水曜日

独りで作り続けたゲームが全世界で大注目。入国管理官ゲーム「Papers,Please」

毎年3月にアメリカで開催される世界最大級のゲーム開発者会議、ゲームディベロッパーズカンファレンス(GDC)。このハイライトがゲーム開発者の投票をベースに選出されるゲームディベロッパーズチョイスアワード(GDCA)と、インディペンデントゲームフェスティバル(IGF)です。

GDCAは家庭用ゲーム向けで、IGFはインディゲームと呼ばれる独立系ディベロッパー向けの賞。んでもって、ここ数年GDCAが大人しいのに対して、IGFの注目度がうなぎ登り。『マインクラフト』のように全世界で3400万本も売れるインディゲームが登場してきたからです。今年も興味深い受賞作となりました。

まずGDCAで大賞に輝いたのは、PS3で発売されたアクションアドベンチャーの『The Last of Us』。寄生菌の大流行で荒廃したアメリカを舞台に、中年男のジョエルとローティーンの少女エリーが旅を続けるサバイバルホラーです。製作費はざっとウン十億円で、最新技術がてんこ盛り。ハリウッドでの映画化も決定し、『死霊のはらわた』『スパイダーマン』で知られるサム・ライミが製作陣に名を連ねました。

一方でIGFの大賞に輝いたのが、PCゲームの『Papers,Please』です。架空の共産国家アルストツカの入国管理官となり、国境に押し寄せる旅行者の入国審査を行うアドベンチャーゲーム。長い長い行列にはテロリストやスパイなどの危険分子が紛れ込んでおり、さまざまな書類をチェックしながら、時間内にできるだけ多くの旅行者を裁いていきます。困難で時に退屈な仕事です。そして、いつ危険が起きるか分からないのです。

でもって、この両者をつなぐ糸がゲーム開発者会社のノーティドックです。古くは『クラッシュ・バンディクー』シリーズ。そして『The Last of Us』を作り出した、世界で最もおもしろいゲームを作る会社の一つでしょう。そして『Papers,Please』を作り出したルーカス・ポープさんもまた、同社の元プログラマー。アクションアドベンチャーの名作『アンチャーテッド』シリーズの開発に参加していたんですね。

ちなみにポープさんが開発に参加した『黄金刀と消えた船団』もまた、GDC2010でGDCAの大賞に輝いています。しかし、アップデートやダウンロードコンテンツの制作が続く毎日に、次第に嫌気がさしていくことに。そんな頃、結婚や出産といった人生のビッグイベントが重なり、妻方の実家がある埼玉県に移り住むことに。

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