2014年5月17日土曜日

自分で「マルチタスクが得意」と言う人ほど、逆に人並み以下かもしれない

人は同時に複数のことをしようとすると、パフォーマンスが低下します。例えば、携帯電話を使用しながら運転しているドライバーは酔っぱらいと同じくらいひどい運転をする、ということが実証されています。ユタ大学の研究者David Strayer氏は、一度に複数のことができないのを普遍的な法則と考えていました。ある特殊な人物が研究室に現れるまでは。仮にこの女性をキャシーと呼ぶと、キャシーは複数のことをするように頼まれても、パフォーマンスが低下することはありませんでした。むしろ、時間が経つにつれてどんどんうまくこなすようになったのです。

米誌「New Yorker」の記事によると、キャシーは複数のことを同時にうまくこなせるひとりだということがわかりました。このような人たちは「スーパータスカー」と呼ばれ、人口の2%程度しかいないようです。この選ばれた少数者は、ほとんどの人と違って、いくつかの困難な作業でも、問題なくマルチタスクすることができます。Strayer氏を始めとする研究者は、このような人々の頭脳に何か特殊な秘密があるのかどうかを探ろうとしています。この話はとても面白いので、興味があれば(英文ですが)ニューヨーカーの記事をご覧ください。

私お気に入りは以下の部分です。

人々は「スーパータスカー」が存在すると聞くと、そのような人がめったにいないとわかっていながらも、自分がその1人に違いないと考えるようです。しかしStrayer氏は「あなたは違う」とハッキリ告げました。「私たちの98%は思い込みをしています。私たちにはマルチタスク能力を過大評価する傾向があるのです」実際、研究者たちは300人以上の学生たちにマルチタスク能力を自己評価するように依頼し、その結果を実際の能力と比較しました。すると、自己評価と実際の能力は負の相関を示したのです。つまり、「マルチタスクは得意だ」と思っている人ほど、逆に人並み以下だったのです。

私自身は、自分のマルチタスク能力がおそらく人並み程度だろうと認識しています。こう思いつつ、私もこの少数者のひとりだったらいいなと、こっそり願っていたりします。

2 Percent Of People Can Multitask Well. Are You A Supertasker?|Popular Science

Douglas Main(訳:Conyac)Photo by Shutterstock.

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