2014年5月14日水曜日

任天堂「トモダチコレクション」同性婚問題はなぜ大騒動になったのか

「任天堂は『トモダチコレクション』の中で、どのような形での社会的主張も行うことは意図していません。ゲームのリレーションシップオプションは面白い別世界でのもので、現実をシミュレートするものではありません。本作を風変わりで面白いゲームとしてとらえ、そこには何の社会的主張も存在しないことをファンの皆さんに理解して欲しいと思っています」

これは、当初任天堂が「トモダチコレクション」について表明したものだ。

任天堂の「トモダチコレクション」は、ゲーム世界に自分や友達のアバター(Mii)を作り、彼らの生活や人間関係を深めるようすを楽しむ大ヒットゲーム。2009年の一作目は3ヶ月でミリオンセラーに。2013年4月に二作目の「トモダチコレクション 新生活」が発売され、現在180万本新仕様としての売り上げ。今年6月には北米展開も予定されている。

「トモダチコレクション 新生活」は、新仕様として「出産」要素が加えられている。一作目ではMiiどうしの関係は恋愛・結婚と発展するが、二作目ではさらに出産もできる。さまざまな人間関係が展開する「トモダチコレクション」だが、結婚・出産できるのは男女間だけだ。
この要素に関して、アメリカのアリゾナ州に住む任天堂ファンの男性Tye Marini氏がキャンペーンを立ち上げた。「トモダチコレクションで同性婚ができないか」。フィアンセのMiiとゲーム内でも結婚したいと考えているのに、ゲームでは同性婚の仕様がないためできない。同性どうしでも結婚できる仕様を加えてくれないか、という要望だ。

任天堂は、5月7日に仕様の追加はできないと回答。その理由がさきほど紹介したとおりの「どのような形での社会的主張も行うことは意図していません」だ。

海外メディアはこの回答を批判。AP通信は「Nintendo says no to virtual equality in life game」ーー任天堂は仮想空間の平等にノーを表明、と報じた。
これを受けて、任天堂は9日に当初の表明を撤回。「多くの人々を失望させた」と謝罪し、「トモダチコレクション 新生活」(北米版タイトルは「Tomodachi Life」)に同性婚の要素を加えることはプログラム上できないが、次回作ではゲームデザインの段階から検討する、と発表した。一連の問題はこの声明で収束を見せたといえる。

ただ、すこし気になることがある。
任天堂の回答は、「社会的な主張(この場合は、同性婚に対する態度)は行わない」。

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