2014年5月16日金曜日

「テクノロジーの役割は『記録』から『エンゲージメント構築』へ」─IBM クレイグヘイマン氏インタビュー

 米国時間12日からタンパで行われたSmarter Commerce Global Summit2014の会期中にスマーターコマース事業を牽引するキーマン、クレイグヘイマン氏へのインタビューが実現。日本市場への見通しやこれからの時代のテクノロジーの役割などについて聞いた。

 ―― 日本でもマーケティング・オートメーション領域への注目度が高まっています。日本市場への印象を教えてください。

 日本は非常にユニークな市場だと捉えています。日本企業のグローバル化は他国に比べ進んでいない印象でしたが、ビジネス環境の変化もあり、日本企業のグローバル化が進んでいる印象です。グローバルでのビジネスを展開を考えるなら、テクノロジーを活用した販路拡大やマーケティングが必要不可欠になってきます。

IBM インダストリークラウドソリューションズ
ゼネラルマネージャー クレイグヘイマン氏


 ―― 基調講演のプレゼンテーションではキーワードとして「エンゲージメント」を挙げていましたね。

 モバイル、ソーシャルの普及が急激なスピードで進行する中、マーケターが最も頭を悩ませている課題が顧客接点の多様化への対策です。よりよい顧客体験を提供したいと誰もが思っていますが、これだけタッチポイントが増えてくると一人ひとりの顧客に対して人力で対応することは現実的に不可能です。

 そこで有効なのがテクノロジーの活用です。10年前を思い出してみてください。10年前のテクノロジーの役割は「記録」であったと私は考えます。しかし、現在においてテクノロジーが果たす役割は「エンゲージメント(顧客との関係作り)」だと考えます。言い換えれば、個々へのおもてなしの自動化を実現するためにテクノロジーが活用されるべきなのです。

 マーケティングの側面からですとエンゲージメントと聞くと「顧客との関係作り」と連想されると思いますが、エンゲージメントが包括する領域はそれに留まりません。より大きな視点で見てみると、従業員同氏のつながりを促進することや行政と住民のつながりを促進することもエンゲージメントに含まれます。テクノロジーを活用することで、これらの領域のエンゲージメントも高めることが可能です。こういった一連の概念をシステム・オブ・エンゲージメントと表現しています。

 ―― 「個々へのおもてなしの自動化」を実現するためのソリューションが今回発表となった、IBM ExperienceOneということになるのでしょうか。

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