フロイトやユングと並ぶ心理学の巨人・アドラーは、現代を生きる私たちに人生観が変わるほどの気づきを与えてくれます。その教えをわかりやすく説いた『嫌われる勇気』は今や30万部のベストセラー。本連載では『嫌われる勇気』の著者・岸見一郎氏が、職場や日常生活で起こりうる皆さんのお悩みを「アドラー流」に解決いたします。
今回のお悩みは、16歳の女子高生によるもの。アドラー流の解決策はどのようなものでしょうか?
【今回のお悩み】
「LINEで返信がないと、不安で不安で……。
頭がおかしくなりそうです。」16歳女子高生
LINEが気になって、やめられません。
自分の送ったメッセージが「既読」になったのに返信がないと、何か悪いことを言ったのか、私のいないところでみんなが私の話をしているんじゃないか、とかいろいろ気になってずっとLINEばかり見てしまいます。自分が嫌われているんじゃないかってすごくこわくなります。
ときどきもう嫌になるけど、やっぱりLINEはやめられません。
【「アドラー流」回答】
その不安という感情は、ある「目的」のために
「捏造」している可能性はありませんか?
自分がいないところで、他の人は何を話しているのか。
ひょっとしたら自分の悪口をいっているのではないか。LINEにかぎらず、大いに気になることでしょう。
しかし、四六時中みんなのメッセージをチェックすることはできませんし、他の人があなたのことをどう見るかはわかりません。「既読」のまま返信してこなくても、それがあなたのことを嫌っている証拠とはいえません。ずぼらなだけであったり、忙しくて返信してこなかった可能性もあるでしょう。
そして、仮にあなたのいないところで、誰かがあなたの悪口をいっていたとしても、それはあなたが止められる問題ではありません。
あなたを悪く言わないようにできるのは、あなたではなく、その人だけなのです。
あなたができるのは、自分の生きたいように生きているのなら、少しくらい嫌われてもよいと思う勇気を持つことです。
ただ、ひとつ気になったことがあります。それは、ほんとうの問題は別のところにあるかもしれない、ということです。
みんなが自分のことをどう思っているのか気にならなくなったとしても、あなたはLINEをやめられないかもしれません。
それは、なぜでしょうか?
ちょっと考えてみて下さい。LINEをするようになって、できなくなってしまったことはありませんか?
たとえば、あなたが「LINEが気になって、勉強できなくなった」と感じているとしましょう。…






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