2015年7月17日金曜日

<h1 itemprop="name">ここが変だよ!? 日本のITインフラ “社内クラウド”という名のまやかし

 いま、情シスの企画部門で旬なのは、何といっても"クラウド"でしょう。

 食傷気味に感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、マーケティング的にはまだまだキャッチーなのも事実。"借りる"タイプのホスティングサービスは、技術の進化はあれど、次のように名前を変えてビジネスを広げています。

・専用サーバ、VPS(Virtual Private Server)→IaaS(Infrastructure-as-a-Service)クラウド

・レンタルサーバ→PaaS(Platform-as-a-Service)クラウド

・ASPサービス→SaaS(Software-as-a-Service)クラウド

 請求書払いや毎月定額でないと予算化しにくいなど、パブリッククラウドならではの"ここが変だよ"もありますが、今回はOpenStackなどで賑わいを見せているオンプレミス型プライベートクラウドのここが変だよ、について触れてみたいと思います。

●「仮想化基盤」と「プライベートクラウド」の違い

 ここ数年、私がお客様やSIベンダーの方と日々会話するにあたり、"ここが変だよ"と感じているのが、クラウドという名のサーバ仮想化です。「社内IaaSクラウドの検討」と言われて招請されても、よくよく話を聞いてみると、実際にやりたいことは仮想化の統合基盤だったりすることが多々あるものです。

 ここで改めて、IaaS型プライベートクラウドとサーバ仮想化の違いを見てみましょう。

 仮想化の統合基盤も社内IaaSも、サーバ仮想化、つまりVMware vSphereやHyper-V、KVMといったハイパーバイザーやその管理ツールを導入するところまでは一緒です。大きな違いは「クラウドコントローラー」と呼ばれる自動化ツールを追加するかどうかになります。

 では、クラウドコントローラーは何を"自動化"してくれるのでしょう。答えは「管理者による設定作業」です。読み飛ばしてしまいそうな一言ですが"設定作業"であることを強調させてください。障害監視や性能分析・バックアップなどであれば、統合基盤でも導入されるかと思います。OpenStackといったクラウドコントローラーが実現するのはそういったオペレーターによる"読み出し"的な作業の自動化ではなく、ある程度の権限を持つ管理者による"書き込み"的な作業の自動化です。

 必ずしもこれらの作業のすべてを自動化する必要はありません。

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