2015年11月18日水曜日

宇宙開発費は本当に無駄なのか?

Popular Science:NASAは、1958年の立ち上げ以来、数々の科学的偉業を成し遂げてきました。米国は、これまでに6回、月に人類を送っています。火星への着陸のほか、数年前に小惑星から準惑星に昇格したケレスを含む、太陽系の全惑星へのフライバイも達成しています。

何十年にもおよぶ科学的・技術的な達成にもかかわらず、NASAへの出資はお金の無駄だと言う人がいます。しかし、計算してみると、この政府組織が私たちにもたらす価値は、計り知れないことがわかります。

NASAがもたらすもの

NASAと冷戦は切っても切り離せません。1957年にスプートニクが打ち上げられると、アイゼンハワー大統領は、宇宙開発競争での敗北を予感しました。そして、翌1958年7月29日、米国航空宇宙局NASAが誕生したのです。アイゼンハワー大統領は、宇宙法への署名時に、この新しい計画についてこう述べました。

宇宙および宇宙技術にはたくさんの側面があり、米国が平和的計画および探査を進めることで、すべての人類の助けになる可能性があります。すべての人が、目の前に広がる冒険を理解することで、それを共有するチャンスがあるのです。

誕生から57年間、NASAは私たちに、地球上の生命種および宇宙の中の地球について、数々の新しい視点を与えてくれました。アポロ8号が有名な写真「地球の出」を撮影してから、私たち人類は、始めて自分たちのことを見られるようになりました。美しく青い球体。そこが、私たちの暮らしている場所なのです。1990年のバレンタインデーには、太陽系の外に出たボイジャー1号が、全惑星を振り返り、「太陽系家族写真」を撮影しました。37億マイルの距離から見た地球は、他の星たちにまぎれた、わずかな点に過ぎませんでした。それらの瞬間の積み重ねにより、何十年もの間、夢を聞かれた子どもたちが「宇宙飛行士!」と答えるようになったのです。そのような夢が存在するのは、NASAのおかげです。

先日、宇宙探査の精神において世界が再び1つになる出来事がありました。宇宙船ニューホライズンズが、冥王星に接近したのです。冥王星ば1930年に発見されたばかりで、本当の姿を誰も見たことがありませんでした。何せ、30億マイルもの彼方にある天体です。今年の7月14日、世界が止まったかのように、人々は人類の偉業を祝福しました。宇宙船は見えなくとも、誰もがその9年間の旅を、畏敬の念を持って見守っていたのです。

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