2016年1月1日金曜日

2016年に起きるPC市場の“二極化”とは?

 2016年は世界のPC事情が大きく変化しそうだ。国内だけを見ても大手PCメーカーの合弁会社のウワサが出ており、ビジネス市場向けに特化したパナソニックと、中国Lenovoとの合弁で事業を進めているNECパーソナルコンピュータを除けば、従来ながらの国内大手PCメーカーはほぼ1~2社に収れんしつつあると言える。今回は年始1回目の記事ということで、PC業界で今起きつつあることと、今後数年の動向を探ってみよう。

 2016年以降はPC業界内の3種類のグループが大きな動きを見せると予想する。これはPC業界だけでなく、スマートフォン業界についても当てはまる傾向だろう。

・グループ1 市場を去る、あるいは大きく組織体制を変更するメーカー

・グループ2 これを機会にさらに攻めに転じるメーカー

・グループ3 新規参入メーカー

●グループ1――次の市場を見据えるプレイヤー

 グループ1について、この転換点は「MicrosoftによるSurface Bookの発表」の影響が大きい。Surface Bookそのものが市場で大きなシェアを獲得するわけではないと思うが、既に事業縮小や市場撤退などを考えていたメーカーが「Microsoftが"このクラス"のPC製品で自ら参入してくるようでは今後も厳しい」と考えるには十分なインパクトがある発表だった。

 IDCが10月に発表した2015年第3四半期(7~9月期)のPC市場調査報告によれば、PC全体の出荷台数は前年同期比で約10%の減少となっており、近年台数を伸ばしていたAppleを含め、PCメーカー全体に波及している現象だ。

 現在の世界PCメーカーのトップ5は上から順番にLenovo、HP、Dell、Apple、Acerとなっているが、この5社で市場シェアの7割近くを占めている。恐らくこれより下の水準のメーカーは市場縮小の影響がさらに大きく、これまでの体制や組織規模では事業を継続するのは難しい状態になりつつある。

 現在、国内では東芝と富士通がPC事業の合弁会社を計画しているというウワサが話題になっている。東芝は2015年12月21日にPC事業の組織改編を発表し、2016年4月1日以降は新体制に移行する計画だが、これも将来的な(他社との合弁も含めた)国内PC業界再編をにらんでの動きだと言われている。同様に富士通も2015年12月24日、PC事業を2016年2月1日付で分社化し、新会社を設立すると発表した。

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