2016年1月5日火曜日

ポメラとノートPCの“いいとこ取り”!? キングジム「ポータブック」を本音レポート

 新年1回目のレポートは、キングジムが2月12日に発売を予定している同社初のノートPC「ポータブック XMC10」のハンドリングレポートを紹介しよう。

 キングジムはオリジナルのスパイスを効かせた電子文具でこれまで数々のヒットを飛ばしてきたメーカーだ。キーボードにモノクロ液晶を搭載し、スマホアプリと連携しながら手軽に文書作成ができる"デジタルメモ"「ポメラ」シリーズは、ビジネスマンや筆者のようにテキストを書くことを生業にしているエキスパートの仕事をバックアップしてきた。ほかにもデジタル名刺ホルダ「ビットレック」や電子メモパッド「ブギーボード」、ラベル作成ツールの超定番「テプラ」などもキングジムを代表するプロダクトだ。

 そんなキングジムの輝かしいヒットモデルを知る方々なら、いま元気がないPC市場にキングジムが進出したと聞いて心がざわつかないはずがない。「ポータブック XMC10」とはいったいどんな製品なのだろうか。

■思わず"アガる"キーボードのギミック

 基本形は8型ディスプレイを搭載するノートPCだ。最大の特徴は「Slide Arc」と名付けられたセパレートタイプのキーボードである。クラムシェル型の本体を開いて、左右2ピースに分かれているキーボードを回して合体させるとポータブックが形を成す。なるほど、男なら誰しもがこのギミックに心ときめかされるだろう。かつて1990年代にIBMが発売した「ThinkPad 701」に搭載されていた変形・合体する"バタフライキーボード"を思い出してしまった。

 キーボードは横幅がポータブックの本体サイズを飛び出すデザイン。約12インチのノートPCに搭載されているキーボードと同等のサイズで、キーピッチは18mm、キーストロークは1.5mm。そもそもタイピングの操作感は人それぞれに好みが分かれるところではあるが、打鍵音は静かだし、セパレートタイプの筐体を合体させた後もグラついて打ちにくく感じられることはない。筆者が普段使っている「VAIO PRO 13 mk2」のキーピッチは約19mmなので、文字入力の違和感はほとんどなく好感触だったが、一点だけ半角/全角変換キーが左上のEscキーの隣に置かれているキーボード配置の違いに慣れるのに時間がかかった。

 キーボードは心地よく使えるものの、マウスの操作は馴染みづらかった。というのも、中央に光学式のフィンガーマウスが搭載されていて、これ単体のレスポンスは悪くないのだが、左右のクリックボタンがキーボードから離れた一段低い位置にあるため、マウス操作は「右手でポインターを動かして、左手でクリック」といった具合に両手でせざるを得ないからだ。

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