2018年6月21日木曜日

資産2000億円 メルカリ山田会長は典型的IT社長とどう違う

 19日東証マザーズに新規上場した「メルカリ」の初値は、公募価格(3000円)の67%高となる5000円だった。2016年7月に上場したLINEの48・5%高を超える絶好調スタートだ。

 それに合わせ創業者の山田進太郎会長(40)が保有する株式評価額はなんと約2000億円となった。一気に大富豪の仲間入りをした山田会長とは、どのような人物なのか。

 愛知県出身の山田会長は、弁護士の父と税理士の母に育てられ、昔からサラリーマンとして働くことは考えていなかったという。中学、高校は海部俊樹元首相やタレントの林修といった個性的な卒業生が多い中高一貫の進学校「東海中高」。早稲田大学教育学部に進み、大学ではイベントを企画するサークル「早稲田リンクス」の代表として手腕を発揮し、「早稲田のビル・ゲイツ」と呼ばれた。

 就活では当時はまだ社員20人ほどのベンチャーであった楽天の内定を辞退。フリーのウェブディレクターとして活動した後、2005年に「株式会社ウノウ」というインターネットサービス会社を立ち上げている。作ったゲームがヒットして、会社を米国のネットゲーム大手「ジンガ」に譲渡して幹部に就任するが、窮屈な組織に辟易として1年半で会社を去っている。

 もともと旅好きだった山田会長はその後、半年間をかけてバックパッカーとして世界中を放浪。この放浪時に世界各地の人がスマホを手にしている姿を見て「世界で通用するネットサービス」として、フリーマーケットアプリの「メルカリ」を思いついたという。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は山田会長についてこう言う。

「ビジネスを発想するだけなく、それを形にしていくこともできる経営者です。ネットベンチャーの経営者は芸能人と結婚するなど自己顕示欲の強い、人を扱うことに長けたプロデューサータイプの人もいますが、山田さんはぜいたくに興味がなく、仕事が趣味で常に現場に出るタイプ。アメリカ進出のときも陣頭指揮をとっていました」

 山田会長は第2の孫正義となるのだろうか。

0 comments:

コメントを投稿