2018年6月12日火曜日

Coinhive設置で家宅捜索受けたデザイナー、経緯をブログ公開 「他の人に同じ経験して欲しくない」

 サイト閲覧者に仮想通貨をマイニングしてもらうことで収益を得られるツール「Coinhive」を設置した複数のサイト運営者が、不正指令電磁的記録(ウイルス)供用・保管などの容疑で相次いで摘発されている、との報道が出ている。

 摘発された1人・デザイナーの「モロ」さんが、「他の人に同じ経験して欲しくない」と、自らのブログで詳しい経緯を説明し、話題を集めている。モロさんはCoinhiveに可能性を感じ、自前のWebサイトに1カ月超設置した結果、家宅捜索を受け、罰金10万円の略式命令を受けたという。だが、捜査の経緯に疑問を覚え、略式命令に異議を申し立てる刑事裁判を起こすことにしたという。

●賛否両論、Coinhiveとは?

 Coinhiveは、専用のJavaScriptコードをサイトに埋め込むと、そのサイトを閲覧した人のPCのCPUパワーを使い、仮想通貨「Monero」を採掘。採掘益の7割が、サイト運営者に配分されるサービスだ。

 「Webサイトから押しつけがましい広告を排除し、代替手段になること」を目的に開発したと開発元のCoinhive Teamはうたい、国連児童基金(ユニセフ)も寄附を募るための方法として導入するなど、サイト収益化の新たな可能性として注目される一方、「同意を得ずに閲覧者のCPUを使うならマルウェアで、迷惑だ」と批判も根強い。

●1カ月超導入、実質収益はゼロだが……突然の家宅捜索

 モロさんは、「広告あふれる現状のメディアのあり方に疑問を感じていた」ため、2017年9月下旬、「広告をなくしてユーザー経験(UX)を良くするための取り組み」として、自前のWebサービスにCoinhiveを設置した。

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