2018年6月14日木曜日

現場スタッフが“Excel脳”から“データベース脳”に バリューコマースは、Excel職人が活躍する世界をどう脱したのか

 現場の最前線に立つ営業の仕事はマニュアル化や仕組み化が難しく、成果は担当者のスキルやセンスに依存するものと考えられがちだ。実際のところ、顧客ごとに異なるニーズに臨機応変に対応できることが、顧客満足につながることも多い。しかし、それが担当営業者の中で閉じた対応に終止すると、営業活動の「属人化」につながり、非効率やトラブルの元になる。

 アフィリエイト広告プラットフォームの老舗であるバリューコマースも、まさにこうした"属人化のわな"に陥っていた。担当者だけが知っている個別対応がミスの元にもなり、関係者はいきさつも分からないままミスの対応に振り回されて、疲弊する――。そんなことが日常茶飯事だったという。

 そんな状態を脱するために同社が取った施策が、クラウドツールやBIツールなどを組み合わせた"半手作り"の営業管理システムの導入と、業務プロセスの改善だ。

 興味深いのは、現場の課題感が明るみに出たことが意識の変革につながり、徐々に生産性が向上しているという点だ。改革を主導した山野目多香子さん(執行役員 最高情報責任者 カスタマーリレーション本部長)と長谷達さん(カスタマーリレーション本部 情報戦略部)に、その課程を聞いた。

●重要データが"個人のExcelファイル"に、業務の全体像が見えない事態に

 バリューコマースは2005年にヤフーの子会社となり、現在、社長を務める香川仁氏は2013年にヤフーから転籍している。

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