2018年7月13日金曜日

アップルの「コスト削減」努力で浮上した重大なリスク

アップルは今年発売するiPhoneの組み立て作業の一部を、台湾本拠の「Wistron(ウィストロン)に発注する見通しだ。ニュースサイト「AppleInsider」に掲載された情報によると、組み立ての大半はフォックスコンに発注されるが、以前から少量の生産を担っていたWistronが今回も受注を獲得する見込みという。

これは、サプライヤーたちを価格面で競わせることで生産コストを抑え、利益を確保したいというティム・クックの意志の現れだ。しかし、この試みはアップルの製品クオリティにダメージを与える可能性もある。

アップルは主に3つの領域で、サプライヤーたちを競合させており、発注ボリュームの増大と引き換えに納入価格の引き下げを求めている。組み立て工程ではWistronとフォクスコンを競わせる一方で、今年のiPhone XiPhone X Plusに採用するOLEDディスプレイに関してはサムスンとLGを競わせる。さらに、端末内部のセルラーモデムに関しては、インテルとクアルコムの2社に発注する。

アップルはこの他の分野でも外部のサプライヤーに圧力をかけ、自社の利益増大を狙っている。販売台数が伸びないなかで、同社が利益増大のためにとれる唯一の選択肢は、コストを低減させることだ。これは、財務戦略としては理にかなった動きといえる。

しかし、異なるクオリティのパーツが組み合わされて製造されるデバイスには、品質のばらつきが生じることも起こり得る。

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