2018年9月20日木曜日

リクルート、AIにエントリーシートを採点させる真の狙い

 リクルートグループが自社の人事業務にAIを始めとしたHR Techの導入を加速させている。人材系企業が自社でもITを使った人事サービスを使うことは珍しくない。しかし、同グループはこのプロジェクトのために半数を生粋のIT系人材で占める"専門部隊"を設立した。通常なら外部のサービスを導入するところを自社で内製化しているのだ。

 目玉となるのが、これまで人力で行っていた新卒採用時のエントリーシート(ES)の選考作業を自動化するプロジェクトだ。熟練面接官の「目利き力」をAIに宿らせるという。しかし、リクルートグループは他業種の企業に比べても数多くの採用のプロを抱える人材大手。自社で充足していたはずの人事業務の自動化になぜこだわるのか、そしてこの「採用AI」の実態に迫った。

●人事部署なのに半数がIT系人材

 リクルートホールディングス(HD)傘下でグループ内の事業会社を束ねるリクルートが本プロジェクトを開始したのは約3年半前。人事の部局内に「人事戦略部」を設立し、社内外からエンジニアやデータサイエンティストといったIT系の若い人材を集めた。今では約20人の部員のうち半数をこうした非人事畑が占める。

 人事戦略部の目的は採用から社員の配置、育成、評価などあらゆる人事業務をAIやビッグデータを使ったシステムに置き換えていくことだ。部長の中村駿介さん(35)は「人事は社員の生産性の向上というコアの業務に至る前に集計などの単純作業にとらわれて疲弊している。

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