2013年8月7日水曜日

「スターバックスを崩壊させる3つの方法」に、経営の極意を学ぶ

ミッションとブランドは表裏、まさに「一対で事を成す」のです。ミッションを達成しようと努力し、それを発信していくことで人々に伝わり、ブランドとして認知されていく。(24ページより)

『ブランド 元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得』(岩田松雄著、アスコム)の著者は、日産自動車を皮切りにジェミニ、コカ・コーラを経て、アトラス、イオンフォレスト(ザ・ボディショップ)の代表取締役を歴任、さらにスターバックスのCEOとして、業績を右肩上がりに成長させた人物。

つまりミッションのあり方について説いた前著『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』に次ぐ本書は、「『ミッション』を書いたあとに、どうしても書きたかったテーマ」だったという『ブランド』に焦点を当てた書籍だというわけです。

スターバックスを中心としながら、他にもさまざまな企業のケースが引き合いに出されているため、とても興味深い内容。きょうは第3章「一流企業に学ぶブランドの築き方」から、特にユニークな「心得22 スターバックスを崩壊させる3つの方法」をご紹介したいと思います。

方法1.急拡大する

まもなく1000店舗を超えようとしているスターバックスコーヒージャパンにとって、売上を伸ばし、利益を増やすことは大切な責務のひとつ。ただし店舗拡大を焦ると、間違いなくブランドの崩壊を招いてしまうそうです。つまり新しく出店するスターバックスが既存の店舗と同じように価値ある存在なのかどうかを、時間と手間をかけて検証する必要があるということ。またスターバックスのミッションを守りながら成長を持続していくには、ミッションを体現できる人材が必要。(138ページより)

パートナーに笑顔がない。あからさまにあくせくしている。コーヒーが淹れたてでなく、おいしくない。店内の清掃が行き届いていない。急拡大を急ぐあまり、顧客にこうした体験をさせてしまうとしたら、それは間違いなく崩壊の糸口になってしまうということです。

方法2.値引きやクーポン、セットメニューを導入する

スターバックスとディズニーには共通点があるのだとか。それは、他では味わえないエクスペリエンス(体験)の質を保つために、値引きやクーポンの配布をしないということ。値引きの余地があったり、利益が充分に出ていたりするなら、パートナーの給料を増やしたり、内装をよりよいものにしたりして、よりブランド価値を高めていくべきだと著者は言います。

0 comments:

コメントを投稿