2013年10月13日日曜日

ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの冬春モデル戦略を読み解く

 大手3キャリアの冬春モデル発表会が相次いで開催された、9月30日から10月11日の2週間。iPhoneが3社から出そろったこともあり、各社とも差別化できる端末の重要性が増している。また、人気の端末が複数のキャリアから発売されることもあり、ネットワークやサービス、料金にも以前より焦点が当たりやすくなった。こうした中、大手3キャリアはどのような戦略で冬商戦に臨むのか。今回の連載は、3社の冬(春)モデル発表会を受け、各社の戦略をまとめた。

●iPhoneが3キャリアから出そろったことで増す、Androidの重要性

 9月にNTTドコモからiPhone 5s、5cが発売された。これによって、大手3キャリアなら、どこからでもiPhoneが買える状況になった。iPhoneが欲しいという人から見ると、端末によるキャリアの差がなくなったというわけだ。もちろん、各社ともiPhoneに対しての取り組みは異なるが、端末ではなく、ネットワークや料金、サービスでキャリアを選ぶことが可能になったのは、ドコモ版iPhoneの登場以前、以後の大きな違いだ。

 端末という分かりやすい差がなくなれば、ネットワークや料金、サービスの競争が激化してくる。ドコモのiPhone導入以降、各社ともネットワークのアピール合戦を行っているのもそのためだ。ただ、ネットワークは水物とも言われ、状況は日々刻々と変わる。3社とも設備投資を重ねてきたこともあり、一般のユーザーには差が分かりにくい状況だ。LTEが数Mbps速いと言われても、ピンとこないのが正直なところだろう。今はまだ料金競争に陥っていないが、代わりに店頭でのキャッシュバック合戦は激化の一途をたどっている。

 また、iPhoneは確かに人気の端末で完成度も高いが、キャリアが1つのプラットフォームに依存するのはリスクにもなる。先に挙げたように、競争軸がネットワークや料金だけになってしまえば、あとは泥沼の戦いが待っているだけだ。また、グローバルで見れば、iOSのシェアは漸減傾向にあり、調査によって異なるが、日本でも半数以上のユーザーはiPhone以外のモデルを選んでいる。iPhoneがどのキャリアにもあるという状況であれば、なおさらそれを選ばないユーザーを満足させるラインアップをそろえなければならない。

 こうした状況を見越して、Androidのラインアップを一気に拡充したのがKDDIだ。

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