2014年2月12日水曜日

スプリント「独り負け」=大幅赤字続く―米通信大手決算

 【ニューヨーク時事】米通信大手3社の2013年10〜12月期決算が出そろった。主力の携帯電話事業で上位2社が顧客を増やし、黒字転換を果たした。一方、ソフトバンクが昨年7月に買収したスプリントは買収から半年たっても顧客離れなどで大幅な赤字が続き、「独り負け」となった。

 携帯電話事業で利益率の大きい月払い型契約の件数は解約を考慮した実質で首位ベライゾンが157万3000件増、2位AT&Tが56万6000件増。高速通信「LTE」の整備で先行、顧客獲得につながった。3位スプリントは6万9000件減。前期の53万5000件減から改善したが、LTE整備などの設備投資が重しとなり、依然10億ドル(約1020億円)超の赤字を抱える。

 ソフトバンクが得意とする値引きやサービス競争を他社が仕掛けていることも、スプリントには不利。4位TモバイルUSは国際ローミング(相互接続)の一部無料化や年2回の機種変更を違約金なしに可能とするサービスなどを相次ぎ打ち出し、7〜9月期までの2四半期連続で顧客獲得に成功した。Tモバイルと一部通信規格が重なるAT&Tは危機感から、家族向け料金の大胆な値下げ作戦を実施した。スプリントも年末商戦に「学割」を掲げ対抗したが、迫力不足だった。 

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