2014年5月15日木曜日

KADOKAWAとドワンゴが「KADOKAWA・DWANGO」に――経営統合の狙いは?

 世界に類のない、コンテンツプラットフォームを確立する――。

 動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴと、角川書店ほか複数の出版社から成り、音楽・映像・映画・ホビー事業も手がける出版最大手のKADOKAWA。この2社は5月14日、経営統合することで合意したと発表した。ドワンゴとKADOKAWAの親会社となる「KADOKAWA・DWANGO」(カドカワドワンゴ)を10月1日付けで設立し、両社が100%子会社として傘下に入る。新会社の社長にはKADOKAWAの取締役相談役の佐藤辰男氏、会長にはドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏が就任する予定だ。

 両社は2010年に包括的な業務提携を結び、2011年には資本を提携。2013年にはドワンゴ子会社のスマイルエッジを合弁会社化するなど、事業提携が進んでいた。記者会見ではKADOKAWA取締役会長、角川歴彦氏が「本丸に行く前に外堀も内堀も埋めたという感じ。資本提携を結んだあたりからドワンゴの可能性を感じ、川上君に統合を持ちかけていたが、お互い解決すべき課題があり、話が進まなかった」と話すなど、この統合はKADOKAWA側から積極的に仕掛けたことがうかがえる。

 ドワンゴは安定して利益が出る企業体質に、KADOKAWAはグループ会社を合併してシンプルな組織に――両社の課題が解決し「2014年1月から具体的に統合を検討し始めた。秋や来春に発表という話も出たが、あまり時間をかけるのも良くないということで、3月にゴールデンウィーク明けに発表することで合意した」(ドワンゴ代表取締役社長 荒木隆司氏)という。

 記者会見では両社ともに"対等立場の合併"であることを強調していたが、新会社への出資比率については名言しなかった。会計上の処理ではドワンゴを取得企業とするパーチェス法(企業結合時の会計処理手法の1つ)を適用する見込みだ。

●ドワンゴとKADOKAWAが統合すると、何ができる?

 ドワンゴとKADOKAWA、両社は経営統合の目的について「ドワンゴのテクノロジーおよびネットプラットフォームと、KADOKAWAのコンテンツおよびリアルプラットフォームを融合させ、ネット時代の新たなビジネスモデルとなる"世界に類のないコンテンツプラットフォーム"を確立する」と発表している。

 記者会見では、経営統合の意義について佐藤辰男氏が主に3つの点を強調した。まずは

「技術力の強化」。

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