新人教育に携わるようになったり、後輩や部下を持つようになった時に、よく頭を抱えるのが「研修プログラム」ではないだろうか。お決まりのコンテンツにどうアレンジを加えればいいか悩んでいる人も多いだろう。
そんな中、この4月末、リブセンスがリリースした配達サービス『Pacirii』がSNSを中心に多大な反響を呼んだ。
サービスの目新しさはもちろんのこと、話題の原因は、このサービスを立ち上げたのが2014年4月に入社したばかりの新入社員だったこと。
新人研修の一環として取り組まれた期間限定のこの企画にはどんな狙いやメリットがあったのだろうか。新人教育に携わる側が持つべきマインドについて、リブセンス取締役の桂大介氏に話を聞いた。
業務の中で新規事業に携われるチャンスは社員でさえ少ない
2011年卒より新卒採用を行ってきた同社では、これまで一般的なビジネスマナー以外の研修は特に取り入れてなかったという。今回、こうした新規事業開発を研修で実践したのには、成長企業ならではのある課題感があった。
「これは新卒に限らず言えることですが、今のメンバーは事業がある程度育っている中で入社をしている。どんなビジネスも始まりは問題解決だとか価値創造だとか何かしらの目的のために作られているんだけど、それが大きくなって走っていく間に最初の意味というものを意識することがなくなってしまうんですよね。それよりも単に数字を追ったり、これまでやっているからやるんだという考えに陥ってしまう。だから、新人研修という機会に、ゼロから事業を立ち上げていくプロセスを経験する場を作りたいと考えたんです」
企画の発案者は代表の村上太一氏だった。4人の新入社員を迎えるにあたって、何を準備すべきか検討した上で、経営陣が決めたルールは2つだけ。
1つは、「最近アメリカで流行っているような速達系サービスであること」。そしてもう1つが、「予算は30万円以内であること」。それ以外の決定事項は、すべて4人の新入社員に委ねた。
研修であるがゆえに発生する問題を、誰がどう解決するか
プロダクトの詳細決定からスケジューリングまで、すべて新卒社員4人が行ったという『Pacirii』
「僕が責任者として毎日1時間4人に対してメンタリングを行いましたが、基本的に意思決定に介入することは一切なし。周りの社員にも『こんなことを新卒がするよ』というアナウンスは行いましたが、特別なことは何もお願いしていません。…
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