2014年7月9日水曜日

低価格ワイモバイル参入先送り=次世代「4G」電波もらえず

 総務省は9日、携帯事業者に周波数帯を割り当てる際の基準を見直す方針を固めた。11日に開かれる同省の有識者会議が、新たなルールを盛り込んだ中間報告を承認する見通しとなったため。これにより、現在の「LTE」の約10倍の受信速度を実現する次世代携帯電話の周波数の割り当てに関し、ソフトバンク・グループで、低価格を売りにしたワイモバイル(7月にイー・アクセスから社名変更)は、割り当て対象から外れる見通しだ。

 従来の基準では、親会社が3分の1以上の議決権を保有する企業をグループと見なし、同時に周波数の割り当て申請することは禁止されていた。ワイモバイルの場合、ソフトバンクが株式の99.68%を保有しているが、議決権比率は33.29%にとどめているため、割り当て申請は可能。

 しかし、中間報告では、グループ企業と認定する際、議決権以外に、より幅広い資本関係、意思決定、取引関係などを考慮して実質的に判断することが適当とする基準に変える方向。

 特に、「周波数を恒常的に融通し合う関係にあればグループとして扱う」との方針を明確化。現在、ワイモバイルはソフトバンクに周波数を貸し出しており、基準が見直されれば一体運営と認定されるのは避けられない。

 今回のグループ企業の基準見直しで、ワイモバイルは次世代携帯の第1陣には加われない。ただ、第2陣以降は、ソフトバンクとの同時申請はできないものの、ワイモバイル独自のサービスを提示することで、参入の可能性は残る。 

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